Spice

各スパイス利用法

          

コリアンダーシードの料理

  完熟シードは、肉や卵、豆料理など、幅広く利用されている。ホウルをピクルスやカレー料理に使ったり、 パウダーをソーセージや挽肉料理の臭み消しに利用する。インドでは種子を挽く前に軽く焙煎する。 焙煎することで、甘味料理にも使えるようになる。コリアンダーの使い方のコツは、他のスパイスと同様に、 多く加えすぎないことである。また、単独で使うよりは、他のスパイスと合わせて使う方が失敗がなく、 より効果を発揮する。相性がいいスパイスは、甘い芳香をもつアニス、クローブ、シナモン、カルダモン、 ナツメグ、セージなどで、合わせて使うことにより、クッキーやパンなどのベーキング料理や、 チョコレート・カスタード・ゼリーなどの甘いお菓子にも合う。 また、コリアンダーは、 カレーパウダーやチリパウダーなどの混合スパイスの成分としても欠かすことができない。

クミンの利用法

■クミンは、カレーパウダーやチリーパウダーの主要成分であるため、いろんな料理に利用できる。
■クミン単独ではなく2~3種類のスパイスとブレンドして用いることで効果を発揮することができる。
例えば、カレー料理にクミンシードをさらに加えれること、より一層スパイシーな仕上がりとなる。
シードの方がパウダーよりも風味がよいため、シードのまま、または細かく刻むか挽いて使うとよい。
■肉料理によく合う。特にソーセージやミートソースなどの挽き肉料理に向いている。その他にも、
チャツネやピクルスなどの風味づけに加えるのもよい。
■フランスやドイツではケーキやパン、オランダやスイスではチーズの風味づけに用いられている。また、 クミンの精油はリキュールの香りづけにも使用されているため、
果実酒やフルーツケーキを作る際にクミンの香りを加えてみるのも面白い。

カルダモンの利用法

■カルダモンには肉類の消臭効果があり、特にハンバーグやミートローフなどの挽き肉料理によく合う。 入れ過ぎると、臭いのきつい料理になってしまうので、量は控えめに使う。ほかのスパイスとブレンドして使うのがコツである。
■カルダモンは甘い料理や飲み物にも合う。中でも、サウジアラビアでよく飲まれている「ガーワ」 と呼ばれるカルダモンコーヒーは、お客を招待する際の歓迎のシンボルとなっている。
■北欧諸国では、パンや焼き菓子に加えることが多い。スウェーデンではシナモンよりも多く使われている。 粉末を生地に練り込んだり、ふりかけることによりエキゾチックな風味をつけることができる。
■シナモンシュガーと同様に、カルダモンシュガーを作っておくと何かと便利である。 作り方は砂糖カップ1に対してカルダモン粉末をティースプーン約2分の1の割合で混ぜる。
■カルダモンはカレーパウダーやソース、ピクルスなどの加工食品の分野でも活躍している。
■食後にカルダモンのホウルを口に含むと、口中清涼剤としてアルコールなどの匂いを消してくれる。

クローブの利用法

■香りが強いため、使い方(量)を誤ると、薬臭い料理になってしまう。適量を他のスパイスとブレンドしたり、 加熱により香りを弱めることによって、上手く使いこなすことができる。クローブ単独の匂いは好き嫌いがあるが、 実は日本人には縁の深いスパイスで、クローブの芳香はウスターソースやとんかつソースの主要成分なのである。
■一般的には、肉料理の臭み消しと風味づけに使われる。ミートソースやハンバーグなどの挽き肉料理には、 シナモン、ナツメグなどとともにクローブのパウダーを練り込むとよい。
  また、ポークの固まり肉やハムの表面にプツプツと穴を開け、その穴にクローブのホウルを刺し込みオーブンで焼く方法もある。 加熱することによってクローブの臭みは消え、芳香だけを楽しむことができる。ここで注意することは、クローブを直接食べないこと。
■バニラエッセンスとともに焼き菓子に使用すると、甘いバニラ様の香りが生きてくる。 バニラは加熱すると香りが弱くなるのだが、クローブの粉末を少しだけ生地に練り込むと、 互いの香りを引き立てる相乗効果を発揮する。
■クローブのホウルを、焼きりんごに1~2本刺したり、オレンジ、レモンなどの果物に刺して、 これらをカクテルや紅茶などに添えて香りを楽しむのもよい。

メースの利用法

■料理:東南アジアや中国、インドではナツメグもメースもことあるごとに使われています。 インドではモグール(ムガール)料理によく加えられ、またアラブ諸国ではかなり昔からナツメグをマトンやラムを使った料理に使っています。
■ヨーロッパでもいろいろな料理に利用され、特にオランダではとても頻繁に使われていて、 マッシュポテトやキャベツ、カリフラワーなど野菜のピューレ、マカロニ、肉のシチュー、 フルーツプディングなどに大活躍をしています。ペパーミルに似た粉に挽く道具もどの家庭にも備えられています。
■イタリアではミックスベジタブルや仔牛肉の料理、パスタのつめものやソースに使われています。 ほかにも蜂蜜ケーキやずっしりとしたフルーツケーキ、フルーツを使ったデザート、 フルーツポンチなどのお菓子類にも合い、シチューやミートパイなどにもとても合います。また、 メースもナツメグも卵やチーズを使ったほとんどの料理と相性がいいスパイスです。

シナモンを使ったおいしい料理

■シナモンは、和菓子にもよく使われている。このことからも分かるように、甘みのあるものや、 甘い香りの料理と相性がよい。互いが甘味感を高める効果を発揮するのである。
 そのため、砂糖を使ったケーキ、パン、クッキー、プディングなどに適する。フルーツの甘い香りにも合うため、 りんごやピーチを用いたシロップ煮やパイ料理によい。アメリカではりんごジャムを作る際によく使われている。 こうした料理やお菓子には、パウダー状のものが使いやすい。
■テーブルスパイスとして、シナモンパウダーと砂糖を混ぜたシナモンシュガーを作っておくと、 コーヒーやお茶に入れたりトーストや焼き菓子にふりかけたり、とても便利である。 目安としては砂糖(グラニュー糖か粉砂糖)1カップにシナモン大さじ3の割合で、合わせてからよく混ぜる。
■原形状のシナモンスティックは、ピクルスや飲み物、プルーンなどに用いると、 シナモン特有の甘い香りをつけることができる。コーヒーやお茶にはスプーン代わりにスティックを添えるとよい。
■アラブ諸国では、マトンシチューなどの肉料理にもシナモンを使っている。 挽肉を使った料理にパウダーを少量使ってみるのもよい。

スターアニスの利用法

■中華料理には欠かせないスパイスである。特に、豚肉や鴨、鶏料理には重要である。 中国のブレンドスパイスである五香粉(ウーシャンフェン)にも用いられている。 少量でも十分に香りを発するため、使いすぎには注意すること。
■風味づけとして、ソースやカレーパウダーなどにも利用されている。
■お菓子類にも利用できる。この場合は粉末を利用するが、香りが強いため、 使用量は控えめ(3分の1弱程度)にする。

フェンネルの利用法

■フェンネルの種子は細かく砕いたり粉状にするとパンやお菓子など甘い物によく合う。 砕いた種子は、中国の「五香粉」に欠かせないスパイスでもある。
■フェンネルの香りの成分には矯臭効果あり、別名「魚のハーブ」とも呼ばれるほど魚料理と相性がよい。 魚の生臭さや脂っこさを消し、すっきりとした味になる。中国名では「茴香(ホエイシャン)」といい 、鮮度の落ちた魚に用いると香気が回復することから名づけられたといわれ、やはり魚との適合性をよく表している。 魚料理には生の葉を用いる。細かく刻んでソースに入れたり、そのまま料理の飾りつけにする。 日本料理ではさばや鮭の料理によく使われる。


引用:spice&harb

          

中村屋シェフが教えるガラムマサラの配合

■コリアンダー 40g カルダモン 35g ブラックペッパー 30g クミン 25g クローブ 20g シナモン 15g 以上は全て粒です、フライパンで軽く煎って冷ましミルサーなどで粉にする。

インドのガラムマサラの配合(簡単な割合)

■ブラックペッパー 2(荒引き) クローブ 2 ナツメグ 1 クミン 1 カルダモン 1 以上は全て粉でフライパンで軽く煎る。 (経験上、以上にコリアンダー 2 シナモン 1を加えても良い)